【Eight EXPO 2026 参加レポート】AI搭載SaaSが多数、しかし時代は...?
先日、東京国際フォーラムで開催された「Eight EXPO 2026 夏」に参加してきました。
先日、東京国際フォーラムで開催された「Eight EXPO 2026 夏」に参加してきました。
SDX(営業DX)、MSX(マーケティング)、AI-PAX(AI活用)の3展同時開催で、出展社数は150社以上。AIブームをそのまま展示会に閉じ込めたような空間でした。
「AIが代わりにやります」系が圧倒的多数
3つのエリアを歩いて最初に感じたのは、サービスの傾向がかなり似通っているということです。
- SDXエリア:アポ代行、架電代行、面接代行。人がやっていた業務をAIが代替するサービスが大半。
- MSXエリア:AIO対策コンサル(ChatGPTやGoogle AI Overviewsにオススメされやすいコンテンツを設計するサービス)が急増中。
- AI-PAXエリア:「御社の業務課題をAIで解決するツールを作ります」というAIコンサルが大半。
どのブースも「AIが代わりにやってくれます」という訴求で溢れていました。時代の流れとして自然なことだと思います。ただ、一周してみると、頭にある問いが浮かんできました。
1年後、この勢力図はどう変わっているのか
いくつかのブースで感じたのが、「これはClaude(のようなAI)で代替されつつあるのでは」という感覚です。
メール処理を自動化するサービス、チャットボットで問い合わせを自動回答するサービス。使い勝手を磨いて専用UIにまとめた価値はあります。ただ、AIそのものの性能が上がり続けている今、1〜2年後にこの領域の勢力図がどのように変わっているのか、気になっています。
もうひとつ気になったのが、AIコンサル(業務課題解決ツールを制作するタイプ)の今後です。
「御社の課題に合わせてAIツールを作ります」という提案は、今は確かに価値があります。ただ、Claude CodeのようなAIコーディングツールが普及していくと、プログラミングの知識がなくても自社で簡単なツールを作れる時代が来ます。そのとき、この市場がどのように変化しているのか、興味深く見ています。
逆に「これは残る」と思ったもの
一方で、「5年後も需要がある」と感じたサービスも複数ありました。
AIO対策(search write)
従来のSEO(Google検索での上位表示)に加えて、ChatGPTやPerplexityといったAI検索エンジンで「引用・紹介されやすいサイト」を設計するコンサルです。llms.txtの設置や構造化データ対応など、具体的な施策も出ており、「これは本物のトレンドだ」と感じました。
品質管理(DAIJOBU)
AIでサービスの量産が加速するなか、「品質担保の専門家」として要件定義フェーズから入るサービスです。ツールではなく、人の目利きを軸にしているのが印象的でした。量産時代だからこそ、こういう役割の価値は上がっていくと思います。
データ基盤(Airlake)
PDF・手書き・音声などの非構造化データを自動で整理・構造化するプラットフォームです。派手さはありませんが、AI活用を本格化させる前提として必要な「土台」を担うサービス。AI搭載SaaS一色の会場で、珍しいくらい地に足がついていました。
会場で気になった「いないもの」
150社を見渡して、あるカテゴリのサービスがほぼ存在しないことに気がつきました。
「社員一人ひとりがAIを自律的に使いこなせる組織をつくる」というアプローチです。
多くのAIコンサルは「業務課題を解決するツールを作ってあげる」スタイルでした。でも、それはあくまで外から解決策を持ち込む形です。「自分たちでAIを使って考え、改善を回せる組織をつくる」という視点のサービスは、150社の中でほとんど見当たりませんでした。
市場全体としてまだ「どうAIを導入するか」という段階の途中なのかもしれません。「どう定着させるか」「どう使いこなす組織にするか」というフェーズは、もう少し先になりそうです。
「使えるAI」より「使える組織」
セミナーも含めて全体を通じて感じたのは、社会全体がまだAI導入フェーズの途中にいるということです。
「どう時短するか」「どう自動化するか」という問いへの答えが、今の市場の大半を占めています。それはそれで価値のある話です。ただ、ツールを導入することと、組織がそれを使いこなすことは別の話です。
AIツールの数は増え続けています。1年後にその中のどれが残っているかは、正直わかりません。ただ、「AIを使いこなせる組織」であることの価値は、ツールの優劣に関わらず残り続けるだろうと思っています。
そういう問いを持ち帰ってきたEXPOでした。